車を購入してしばらくすると、次第に信頼できそうな自動車修理工場を探すことになることが多く、私も例外なくそのように心境の変化が現れることになり、ディーラーではなくて、腕がよい信頼できる自動車修理工場を探すことになりました。
よくあるのが、国道沿いにある、外観や事務所が綺麗で大きな工場やSHOPは居心地が良いですし、そういう工場はフロントマンも正装して好印象だし、話し易い人も多いですので、ついつい看板を見かけると綺麗な修理工場が気になってしまうものです。
しかし、それが依頼作業の仕上がりと腕の善し悪しと直結するとは限りません。
大所帯の工場やSHOPが全てそうとは言いませんが、修理工場の規模が大きくなればなるほど維持費や経費にお金が掛りますから、当然商売として営業をしている以上は、その分の高額な固定費を負担するための、売上を上げる経営方針が必要となります。
実際に確認をしてみたんですが、国道沿いにある綺麗な修理工場の家賃を聞いたら、なんと毎月200万円と話していたので、その分の売上や人件費を稼ごうと思ったら、当然工賃などに跳ね返ってくるのは当然の話ですね。
目次
普通の修理工場と腕が良い修理工場の違いはどこにあるのか?
普通の工場と腕の良い工場との違いはドコまでこだわって手間を掛けるか、納得行くまで時間を掛けてくれるかの違いですから、工場やSHOPの売上は部品販売も有りますが、大半は整備や修理の工賃売上が殆どです。
工賃は1時間単位のレバレートで設定されており、5,000円の場合、作業に2時間掛れば工賃は1万円になりますので、例えばエンジンオーバーホールの工賃が20万円の場合、40時間で終わらせる作業という事です。
当然ですが、売り上げを優先する工場だと40時間以内で終わらせます。
その40時間の中にはエンジン精度を追及する為の各パーツの点検や測定、クリアランス測定や調整、バランス測定や調整など、様々な作業時間も含まれていますが、利益優先の工場では整備書通りの事をやって終わらせます。
まあ、それが当然ですよね。
腕の良い工場は更に整備書に書かれている事以上の精度を追及します。
それは「他の工場より良い物を提供したいから」です。
当然作業時間は増えますが、惜しまなく手間を掛け、精度を追及し分解組立を行う事で、いろいろな知識が蓄積されていき、この知識と経験によって他の工場との腕の差、仕上がりの差に繋がる訳です。
腕の差とは知識の差でもあり、こだわり方の差と言っても良いかも知れません。
普通の自動車修理工場では、決まった作業を淡々と行い台数をこなして売上を上げるのが「整備士」であり、こだわりを持っている腕の良い自動車修理工場は、利益は採算度外視で納得するまで時間を掛ける「プロの職人」です。
良い工場は時間を掛けるので「納期を守らない(完成しない)」所が腕の良い工場の見分け方の一つかもしれませんけど、放置している時間が長いから時間が掛るのは論外ですけどね。
その他にも「納得行かないからもう一度やり直させて」と言う工場もこだわりのある工場と言えます。
整備士や職人も人間ですから、プログラムで決まった事をこなす機械でさえ製品不良やミスが出るんですから生きた人間がやればミスも有りますよ。
しかし、そのミスをそのままにしてしまうか、時間が掛って赤字になってでも納得行く商品に仕上げることこそが、これは「職人魂」とも言えるこだわりですよね。
また、車両故障による修理という物は全てが同じ内容とは限りません。
故障具合も違えば症状も違う時があり、原因追究に掛る診断時間もそれぞれに違いますし、オーナーさんそれぞれに車の使い方、運転の仕方が違うように、故障具合や必要な交換部品も違う訳です。
この交換作業の際にも「腕の差」が出ます。それは何か?
普通の工場なら整備書通りの手順で壊れた部品を交換し基準値の調整だけを行いますが、腕の良い職人は乗り手の使用用途やドライビングに合わせた部品を選択し、扱い易くなるように調整を行います。
整備書通りの作業から更に手を加える訳ですから通常よりも手間と時間が掛る訳です。
先にも述べましたが、腕の善し悪しは外見や言葉では無く、「どこまでこだわっているか」になりますので、そのこだわりを確かめるために修理工場のオーナーである、代表者の方と車について熱く語り合ってみると、腕の良し悪しが簡単にわかります。
私はいつもそうやって、常に腕が良い信頼できる修理工場を探してきていますので、皆さんも今の車の整備をしている工場が事務的で、職人魂がこもってないと思ったら、プロ意識を持った修理工場を探してみることを強くお勧めいたします。
営業担当がいて店舗が綺麗なお店はやめておいが方が良いかもしれません・・・。