ここ最近、発売された新しいスポーツカーを見ていると、エンジンチューニングを行っている車を見ることが殆どなくて、軽く外装を交換している車やマフラーを交換している車はあってもエンジンをフルチューンしている車を見ることは殆ど無くなりました。
15年くらい前でしたら、エンジンをフルチューンしていてVProやモーテック等のフルコンを取り付けて自分でモーテックのセッティングをしている人もいましたし、アイドリングで凄まじいエンジン音が出ているチューニングカー等も見かけたものでした。
現在、日産GTRとか86、インプレッサやタイプR等のスポーツカーが平成初期頃ではありませんが、ある程度は発売されている状態とは言え、それらに乗っているオーナーさんはエンジンに手を付けている人は殆どおらず、純正のまま乗っている人が大半です。
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最近の新車でエンジンチューニングをする人がいない理由
新しい車の中で、特にスポーツカーを購入している人の殆どが、エンジンチューニングをしなくなっている理由について、単に車をパワーアップさせる必要がなくなるほど性能が純正状態で向上しているからと話す人も多いのですが、それだけではありません。
確かに昭和末期から平成初期に発売された現在は旧車のロードスターやRX7、GTRやシルビア、シビックやインテグラ、NSXやスープラ等は改造をするほど更にパワーアップが体感できて性能は向上していましたが、元々それほど性能が悪い車でもありません。
現在、新しく発売された車のエンジンチューニングをする人がいなくなった理由についてプロショップに相談をしてみると、社長曰く、排ガス規制が大変厳しくなっていて、カムシャフトをチューンしただけでも車検に通らなくなるので出来ないとの事でした。
現在の新しい車は排ガス規制によりエンジンチューニングが出来ない。
昭和末期から平成初期くらいに発売されたスポーツカーのときには排ガス規制がそれほど厳しくなくてエンジンフルチューンをすることも容易だったらしいのですが、現在は排ガス規制が10分の1くらいになっているらしくて、エンジンは触れないらしいです。
また、ODBという電子制御の診断システムの搭載もあり、フルコンの取り付けをする場合はそれだけで300万円位の費用が必要になるらしくて、お金が相当余っている人がサーキット専用車として利用する以外は、チューニングの需要がないとのことでした。
ここ最近は日本経済も低迷していて、政治家が自分たちや利害関係のある富裕層を除き一般の国民がどんどん貧しくなる政治を積極的に行っており、車に興味を持つ若い人が少なくなってきているのも影響しているらしくて、ショップ経営は厳しいそうです。
新車でエンジンチューニングをするならナンバーを切るしかない。
車検を受けない状態にしておけば、排外規制等も全く関係ありませんので、カムシャフトはおろか、エンジンのフルチューンをすることも可能になるのですが、その場合はローダーに積んで移動させるサーキット専用車両の制作になるので公道は走れません。
また、サーキット専用車両を所有するにはチューニング費用だけでなくてその後の保管費用や移動費用、維持費などで相当なお金が必要になりますので、普通の人では所有することは困難ですから、ショップのデモカーや富裕層の趣味として存在しています。
その為、未だに昭和末期から平成初期にかけて販売されていたスポーツカーなどは大人気であり、アメリカの某25年ルールの影響もあり、かつての国産スポーツカーが一気に値上がりをしている状態ですし、エンジンのフルチューンも行える車が多いのです。
新車のスポーツカーの乗り方としては、エンジン周りは純正で乗っておき、3年から5年が経過したら、下取りに出すって感じの外車のような運用方法がこれからは主体になっていき、フルチューンはかつての名車に対して行うって流れになるかと思われます。