今から20年くらい前の時代は、国産スポーツカーが全盛期の時代であり、日産のR32GT-Rやシルビア、マツダのRX-7、ユーノスロードスター、ホンダのNSXやシビックタイプR、トヨタのトレノやスープラなど、錚々たる名車が沢山出ていました。
その頃はスポーツカーのチューニングが全盛期になっていて、お世話になっているプロショップの社長さんも相当な売上があって、ショップのその売上からデモカーの制作をスポンサー無しで行えるほどで、今の時代と比較すると全体的にお客さんが多かった。
しかし、現在は国産スポーツカーのチューニングをする人が大幅に減っていて、新車は既に性能が向上していること、排ガス規制が相当厳しくなっていること、ODB登載車が当たり前になっているので、フルチューンをすると相当な予算が必要な状態です。
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国産スポーツカーのチューニングからみる日本の貧富の差。
ですから、最近ではチューニングプロショップでも倒産する業者がたくさん出てきていて、平成初期ころから10年ほど前くらいまで雑誌などで見かけていた有名なプロショップも倒産したり閉店してその姿を見ることもなくなっている厳しい現状があります。
それで、いつもお世話になっているプロショップの社長さんに相談をしてみると最近ではお客さんの層が以前とは大幅に変わっていて、極端に予算をかけるお客さんと殆ど予算をかけないお客さんの格差が広がっているとのことで、貧富の差がよく分かります。
予算をかけるお客さんの場合、300万円から1000万円位の予算を普通に使い、ボディをどんがらにして全塗装をするのは当たり前で、エンジンフルチューンやミッションも改造して他の車種から流用したりなど、新車を買うよりも改造に普通に予算を使います。
社会格差が広がるとスポーツカーのチューニングも変わる?
今から20年位前の国産スポーツカーのチューニングをしていた人なら分かるんですが、単純なパワーアップ目的でマキシムのエキマニに交換したり、マフラーを根幹したり何がしたいのかと言えば単純にパワーアップ目的でのチューニングがメインでした。
なので、全体的に平均をしてお客さんの単価も高かったのですが、今はそういった客層は減ってきていて、ここ最近の売上に影響する依頼と言えば、旧車と呼ばれるGT-RとかNSX、ファミリア等の中古相場が高騰している車のフルチューンが多い感じです。
NSXやGT-Rを見れば分かりますが、中古相場が異常に高騰していて、正直新車でフェラーリを購入したほうが安いくらいってくらいの恐ろしい高騰をしている中古車もありますから、特定の国産中古車よりも新車を購入したほうが安いって市場になってます。
チューニングプロショップが生き残る為に必要な要素は?
スポーツカーのチューニングを依頼するお客さんの予算が極端に幅が出ている状態で、国産スポーツカーの中古車が異常に高騰している状態、新車のスポーツカーはチューニングそのものが難しくなっている現状、これはプロショップは大変厳しい状態です。
私がお世話になっているプロショップの社長さんは、凄腕のメカニックなので、その評判から固定のお客さんがついていること、他のショップが潰れてしまって噂を聞いて依頼に来る人が沢山いるので、やはり本物の技術と経験があれば問題はなさそうです。
ODBがついていない国産スポーツカーの中古相場が高騰していて、状態がよく人気があるNSXとかGT-R、RX-7等は海外に流れてしまうことも多いようで、何とか今の若い人が国産スポーツカーを購入できる状況を政治家が作らないと業界は厳しいです。
国産スポーツカーのチューニング市場を見ても、明らかに貧富の差が広がっていて、お金がある人は古いファミリアでも1回1000万円前後の予算をかけてフルレストアやフルチューンをやっている現状があるわけですから、今後の生き残りをどうみるかですね。