WRCラリーに興味がある人ならご存知のかたも多いミスファイアリングシステムなんですけど有名なアニメである頭文字Dを見て、エンペラーの須藤京一が乗っているランサー・エボリューション3に搭載されたパンパン煩い車を見て知った人が多そうです。
ミスファイアリングシステムは、確かに搭載をすればブレーキを踏んだ際にもタービンの回転数を落とすこと無く減速できるシステムになりますので、コーナーからの立ち上がり加速が早くなり、運転技術があればより早くコーナー脱出が可能になります。
頭文字Dの中でも須藤京一のミスファイアリングシステムを見て、公道最速のシステムであるとの会話がされていたのを見て、自分の車にもミスファイアリングシステムを取り付けたいって思った人も多いのですけどポン付けセットって先ず売られていません。
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ミスファイアリングシステムのポン付けキットが売られない理由。
最近の新車は厳しい排ガス規制への車検対応、ODB搭載の新車が当たり前になったことから、簡単に言えば純正状態で乗ることが当たり前になってしまったのと、そもそもスポーツカーが売れなくなったので、魅力的なスポーツカーが一気に減っています。
それでアメリカの25年問題もあり、平成初期ころに発売をされた国産スポーツカーの中古車が相当な値上がりをしているのですが、中古でスポーツカーを購入してミスファイアリングシステムをDIYで取り付けようと思っても、ポン付けキットがありません。
後付のターボとかスーパーチャージャーでしたら、一応、今でもポン付けキットが売られていますけど、ミスファイアリングシステムのポン付けキットがない理由は、そんな簡単に搭載できるシステムではないので、先ずワンオフでの取り付けになるからです。
ミスファイアリングシステムの取り付けは止めたほうが良い理由。
ミスファイアリングシステムについては、公道を走行する車であれば、先ず取り付けるメリットが殆どないこと、騒音が凄まじくご近所とのトラブルや訴訟問題に発展しかねないこと、警察に目をつけられて徹底的にやられてしまう可能性がある状態です。
なので、ナンバーを切ったサーキットやラリー専用の企業などが運用している私用道路での使用が前提になりますので、ミスファイアリングシステムのポン付けキットを販売しても売上が伴わないことから、先ずこれのキットを販売したい企業はありません。
更に車の仕様を大幅に変更しないといけないこと、プロによる改造やフルコンによるセッティングが必要なことから、予算も相当かかりますから、そこまでしてミスファイアリングシステムの車が必要な人ってのは、プロのラリーカーを運転する人くらいです。
プロショップでもミスファイアリングシステム搭載依頼は皆無。
関東にある有名なチューニングプロショップの社長さんに確認をとっても、ミスファイアリングシステム登載車への改造を依頼してきた人はいないそうで、仮にいたとしてもミスファイアリングシステムの問題点を説明したら、先ず取り付ける人はいないです。
ミスファイアリングシステム搭載の車を実際に見たい場合、日本ではあまりメジャーではありませんが、WRCラリーのレースを見ればよく分かりますので、確かにコーナーの立ち上がりは相当早いけど、それ以上の騒音が発生して耳を先ず塞いでしまいます。
後、ミスファイアリングシステム搭載車を上手くコントロールしようと思ったら、それこそプロ並みの運転技術が必要になりますから、素人がミスファイアリングシステム搭載車を運転すれば早くなる訳ではなく、余計に交通事故を起こしてしまうだけです。
企業は利益にならないことはやりませんから、ミスファイアリングシステムのポン付け取り付けキットを無理やり販売しても売れないこと、それ以前にポン付けで取り付けれるような代物ではなく、プロショップでないと取り付けは不可能なチューニングです。